足の負傷と仕事に追われ1月後の散策となった。山はすでにシイやクスノキ科などの新緑で美しい姿を見せています。林道沿いには様々な初夏を思わせる草木の花が開花していました。一面の白いノイバラは林縁を明るくしています。ふと見ると花弁の縁がピンクに染めたノイバラを1株(写真上)発見。しばらく行くとクロミノサワフタギ、ギンラン、キンランが開花。法面にはツクシタツナミソウ(写真中)の群落やたくさん花をつけたホウチャクソウが目につき、白い花のコバノガマズミやミツバウツギも目立ちます。ややピンクがかったコバノガマズミ(写真下)は珍しくシャッターを切りました。わずか2時間程度の散策でしたが初夏の花に出会い満足したひと時でした。
ぽかぽか天気に誘われて、県西部を散策しました。まずは山中の神社境内、日陰の参道沿いにはムラサキケマン、カテンソウ、ツクシタニギキョウ、キランソウが開花しています。日の当たる崖には珍しいイズハハコが花を咲かせようとしていました。さらに西部の丘陵地帯にいくと絶滅危惧種のホタルカズラ、リュウキュウコザクラが太陽の光を精いっぱい浴びていました。(写真上、中)周辺はアケビ、ムベ、ノジスミレ、ウマノアシガタ、クサイチゴ、コウゾリナと春満開の季節でした。北部に足を伸ばし林内に入ると絶滅危惧種のミヤマカタバミ(写真下)が満開状態でした。春本番の中、身近な場所にも様々な草木の花が咲き乱れています。
Aさんから白花のスミレの問い合わせがあり、佐賀市中部の山に行きました。天気はぽかぽかで山道沿いは紫色のスミレがいっぱい咲き乱れていました。白花は珍しいと思い図鑑を持参して駆けつけました。一株だけ丸っこい大きな花をつけています。調べてみるとマルバスミレ(写真上)でした。マルバスミレは県内ではそう多くなく脊振山系の林道沿いにも見ることができます。周辺にはコタチツボスミレ(写真中)も咲いていました。ほかにトウゴクサバノオ、サツマイナモリ、キエケマンも花をつけていました。帰りの林道沿いにはコスミレ、シロバナタチツボスミレ、アカネスミレなどがたくさん咲いていました。今スミレは花盛りです。
4月中旬の暖かさとなり、花友達から開花情報が入ってきました。早速、県内東部を散策、佐賀平野には黄色いノウルシが咲き始め、日当たりの良いところは満開しています。背振山にはうつむきに咲くホソバナコバイモ(写真上)が満開状態でした。鳥栖方面へ行くとユキワリイチゲ(写真中)5株が満開。美しさにシャッターを何枚も切りました。中原町の河川にはかわいいアマナ(写真下)が数株が太陽光を浴びるように咲いていました。
ぽかぽか陽気に誘われて小城市の牛尾山に行きました。南斜面の日当たりよ良いところにはアブラナ(写真上)、コスミレ(写真中)、ホトケノザ(写真下)のほか、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、フラサバソウが精いっぱい花を咲かせていました。紅梅も花を咲かせはじめ、飛梅(白梅)は見ごろ、白梅はこれからのようでした。佐賀市の県立図書館南の広場のカンザクラも開花していました。カメラを携え、花写真の撮影者もちらほらありました。
今年は寒い日月続きますが、春一番の花を探しに出かけました。花木はやはりウメ(写真上)かと思いきやソシンロウバイ(写真中)がやや早かったようです。ソシンロウバイは1月中旬、紅梅は2月1日に職場の庭に春の訪れを告げました。どうやら春一番はソシンロウバイのようです。草花はスイセン、これは12月から咲き始めていました。セリバオウレン(写真下)の開花情報をいただき、1月中旬に県外へ出かけました。可愛い花が4株、2月2日には14株花を咲かせていました。ファンが多くカメラやスマホで写真を撮る人が多かったようです。これから春植物の観察に出かけようと思います。
12月の花を探しに出かけました。シマカンギクも終わり、何があるかな?と思っていたところ、Iさんからヤマラッキョウ(写真上)の自生地を教えていただきました。遅いかな?と思いながら自生地に行ってみるとすでに終わりを迎えていましたが、藪の中には意外とたくさんのヤマラッキョウがありました。その中に咲き始めのものもありほっとして写真を撮りました。また、青く満開状態のリンドウ(写真中)もありました。小高い草原にはヤマヒヨドリ(写真下)が満開。今年もこれで最後の花写真になりました。
今年も1月を残すばかりとなり、今年最後の花撮影に県内を巡ってみました。気になる植物はブゼンノギク。嬉野両岩に以前たくさんあったので、エゾスズシロソウとともに確認に行きましたが、見つからずに終わってしまいました。次は龍門にキチジョウソウ(11月の植物に掲載)の撮影。運よく花と実が同時にみられました。ひょいと岩場を見るとブゼンノギク(写真上)らしきものが垂れ下がっていました。本場大分県古羅漢のブゼンノギクには毛がなく、佐賀県のものは姿形はよく似ていますが、毛があるのでブゼンノギクでないと言われています。伊万里市波多津町の県道沿いには生育地が限られているアワコガネギク(写真中)が花を咲かせ始めていました。北波多町に入ると沿道にシマカンギク(写真下)が満開でした。
東与賀海岸のシチメンソウが新聞テレビで話題になっています。本庄江河口にも規模は小さいですが状態の良い群落があります。紅葉は東与賀より2,3週間遅いので先ほど見てきました。ここのシチメンソウは年による変動が激しく、東与賀海岸が立ち枯れを起こした3年前には見事な群落ができていましたが、昨年は不作でした。今年はやや順調といったところですが、生育状態や紅葉にはむらがあり、期待したほどではありませんでした。それでも東与賀海岸の群落よりは個体が大きく立派です。1枚目の画像はむらがあることが分からないように工夫して撮影したものです。逆光気味にとると実際よりは綺麗に見えます。
干潟の観察をしてとんでもないことに気付きました。去年まではイセウキヤガラの見事な群落が遠くの干潟に生育していましたが、それが何もありません。2枚目は去年、3枚目は今年の画像です。去年の画像はズームをかけていますが、ほぼ同じ方向です。
イセウキヤガラは佐賀県の準絶滅危惧種でしたが、ここ10年ほどで群落が拡大し、本庄江や嘉瀬川の河口あるいは佐賀漁港の干潟に立派な群落ができていました。数年前から漁船の通行に支障があるので除去をしたいと要望が出ていたようです。群落がかなり増大していたので1年前のレッドリスト改訂でリストから外しました。漁業との共存を意識していた部分もあり、佐賀漁港の干潟の群落ぐらいは除去しても構わないかとの判断があったように思います。本庄江河口の群落は漁船が通行するルートから外れているので、まさかここまですべて除去されるとは予想していませんでした。希少種に関する意識が異なることに関して、私たちの考えが甘かったのかもしれません。
話をシチメンソウに戻します。東与賀海岸は「佐賀市」と「シチメンソウを育てる会」が地域遺産的な考えで維持管理に力を入れています。ここ2年間は中止になりましたが、シチメンソウ祭りも開催されています。地元の人たちが尽力されて、毎年タネまきをするなどして群落の維持に努力されています。しかし、1つ問題なのはタネを本庄江河口などの別の自生地から持ってきていることです。他の自生地も群落は不安定で年による消長が激しいところを、何とか生き残った個体からタネを搾取されてしまうのです。何回か指摘しましたが、気には留めていないようです。東与賀海岸のシチメンソウだけが存続できればよいと思われているのかもしれません。
東与賀のシチメンソウは3年前に立ち枯れを起こし昨年より一部で復活していますが、基本的には立ち枯れは収まっていません。今年も場所によっては8~9割が立ち枯れを起こしており、全体を平均すると5割が立ち枯れしているようです。しかも立ち枯れの原因がまだつかめていません。いまのところ、有明海のどこかで正常に生育できる群落があるので、何とか維持できていますが、自生地は有明海だけなので、下手すると日本から絶滅してしまうかもしれません。
いつの間にか肌寒くなり、バイクでなく乗用車で気になる植物を探しに県内を回ってみました。まずは4月に確認したクロミノサワフタギの実(写真上)。もうそろそろ実が熟しているだろうと天山の中腹を目指しました。初めてみる実は意外と小さく、特に感動はありませんでした。次はAさんからこの夏の大雨で絶滅しかもしれないとの情報があった県西部のミズオオバコ(写真中)。花は時期的に遅いので残った葉だけでもと思っていましたが、意外にも花があちこちに満開状態。「植物は強いですよ」の熊本植物採集会の前会長の言葉を思い出しました。その後、海岸のマツナの状態を確認し、肥前町の海岸へ。真っ青なハマベノギクが出現。続いて黄色のホソバワダン。海岸の岩場には薄青色のダルマギク(写真下)が満開でした。